四つ葉のクローバーのキーホルダー。
私と同じものだ。
……え? あれ?
慌ててバッグを漁って、自宅のカギを取り出した。
――ない。
ふたつ付けていたキーホルダーのうち、ひとつが姿を消していた。
でも、どうして部長がこれを……?
手の平に乗せられたそれと、部長の顔を交互に見る。
「やっぱりそうか」
「あの、これ……」
「夕べ、カギを落とさなかった?」
そう言って、夕べ、あっくんと一緒に行ったフレンチレストランの名前を挙げる部長。
「そこの前でぶつかったこと、覚えてる?」
「あ……」
お店を出たところで、確かに誰かとぶつかってカギを落とした。