すがる思いで先生を見つめる。
どんな病名が飛び出すのか、ビクビクしながら先生の言葉を待った。
「あなた、おめでたでしょう?」
予想もしなかった“病名”に、頭が真っ白になる。
今、何て言ったの……?
「さっき検査のために採血して、妊娠が分かったんだけどね」
「……にん……しん?」
「……もしかして、気づいていなかったの?」
先生は、不安を含ませた驚き顔で私を凝視した。
そんな兆候は全然……。
でも、そういえば、生理が遅れてる。
「それじゃ、これからすぐに病院へ行ってらっしゃい」
先生はニッコリ微笑んだ。