◇◇◇

――――
 …………

「違うだろ。ここはこうやって掘るんだ」


そう言って、砂の山に伸びる手。


「ダーメ! パパは触るな!」


小さな男の子が、必死にそれを阻止する。


「教えてあげてるんだろう?」

「ママー! パパがいじわるするんだよー」


半分泣きべそをかきながら、私に向かって走ってくる男の子。


「あのね、パパは砂の城を作るのがとっても上手なのよ?」


その子を抱きとめ、微笑みかける。
打ち寄せる波が太陽に照らされて、ものすごく眩しかった。

「ほら、早く来ないと、パパが全部作っちゃうぞー?」

「あ! ダメー!」


――――
 …………