部長と休日を過ごした翌日の月曜日。
「今日は朝からご機嫌じゃない?」
ひと足先に社食へ向かっていた琴美の前に腰を下ろすと、開口一番そう告げられた。
「そう?」
「うん。最近の二葉の中でも断トツ」
何かいいことでもあったんでしょう、なんて探るように私を見る。
普段から周りのことにそれほど敏感ではない琴美が気づくのだから、今日の私はよっぽど態度に出ているのかもしれない。
それでも適当にはぐらかす。
「金曜日の夜とは雲泥の差だよ?」
「……ああ、あのときは……。本当にごめんね」
両手を合わせると、琴美は両腕を組んで「ほんとよ、全く」と口を尖らせた。
見知らぬ男の人と歩く紗枝さんを追いかけて、琴美を放り出してしまったから、怒るのも無理はない。
「あの埋め合わせは、近々あるんでしょうから」
目を糸のように細めて、琴美が私を横目で見る。