「良いじゃないですか〜、水樹君。
家はお金持ちで、頭も良くて、運動も出来て、しかもイケメンだよ!
まるで、少女漫画のヒーローだよ!」
私とひかると水樹は、幼稚園から今の高校までずっと一緒だ。
だから、私とひかるは知っている。
水樹は産まれてこのかたずっとモテキのようなヤツだ。
幼稚園の時は、水樹と一緒にお昼寝する為に女子の間でジャンケンが行われていた。
小学校の時は、女子の消しゴムを拾うと水樹君といつも書かれていた。
中学校の時は、バレンタインの時水樹の下駄箱にチョコが押し込まれ過ぎて、爆破した。
そんな水樹は本当に少女漫画のヒーローのようだ。
しかし、私にはずる賢いサルにしか見えない。
世の女子の目は腐れ落ちているのではないかといつも疑ってしまう。
そしたら、ひかるが
「まっ、なおは水樹君のことサル位にしか思ってないんだろうけど。」
と、言いながらドヤ顔で私の方を見た。
ひ、ひかるさん!
あっ、あなたはエスパーですか!
私は、殿のおな〜り〜、のようなポーズをしておでこを机に着けた。
そしたらひかるが、
「何年一緒にいると思ってんのよ!」
と、言いながら笑った。
か、可愛い過ぎやすぜ、ひかる様!
私は先程より深々と頭を下げた。