なぜか、藤田に触られてる時は、安心して。
離れていくとそこだけ、ジンジン熱い。
なんで…?
「ご、ごめんなさいっ!」
謝りながら、急いで去ってく変態たち。
お、おい。
一生、許さねぇぞ
まぁ、5年後くらいには、忘れてるけど。
「な、なんで、ここだって分かったの」
これが今、一番聞きたかったこと。
「お前どーせ、キャラ違うから助けてなんて言えなかったんだろ?」
な、なんで分かって…。
やっぱり、藤田はエスパーだ。
「怖いなら怖いってはっきり言え」
「こ、怖くないも、ん」
私はいつまで、意地張るんだか。
その瞬間、ブッと吐き出して笑う藤田がいた。
「っ?!」
「こんなに震えててか?」
そう言われて、手をぎゅっと握られる。
その瞬間、私の体が一気に熱くなる。
ど…
どうして…
「っ…ほ、ほんと、に…怖く…なっ、きゃっ!」
否定しようとする私を黙らせるように、強く抱きしめる藤田。
握られてる手
抱きしめられてる私。
そう考えると、顔も熱くなる。
なにこれっ…
「なんだって?」
まるで、“怖い”と言わせるように、聞き返してくる。
「怖くないもん」
子供のように否定する。
どこまで、強がりなんだか。
「まだ否定すんのかよ。
もう大丈夫なんだよな?怖くないなら立てるよな?行くぞ」
わわっ!
ダメだよ…それ聞いちゃ…
腰抜けて、立てないんだもん…。
本当は、怖いんですよ…。
「なんだ?立てねぇのか?」
バカにするように、私の前でしゃがみこみ私の顔を覗いてくる藤田。
いつもなら、イラッと来るのに…
なんでしないの…?
「……かった…。」
「え?」
こわかったの!
って通じてよ…
「怖かった…っ」
そう一言いうと
藤田は優しい笑顔見せて、私をなでなでしてくれた。
そのしぐさに、ドキドキする。
夏稀side
「…藤田」
「ん?」
今は下校最中。
あれからタイミングが掴めず、お礼の言葉すら言えてない。
それはさすがに…。ね?
「あ、ありがと…嬉しかった…っ」
ふぅ!よかった!
素直に言えた!
「…」
何の反応もないんですが…。
不思議に思い、藤田を見ると
耳まで真っ赤でそっぽ向いてる、藤田がいる。
えぇえっ!?
なんで!?
「…急に、そんな事言われると…まじ困る」
「えっ、あ、ごめん…」
迷惑だった…かな?
そう、だよね。
「っ…あ、あのね…」
私がそう言うと
藤田は笑った顔をして
私の頭を撫でる。
ドキン
「…無事でよかった」
「…っー」
ど、どうして…
ドキドキしてるの…?
いみわかんないっ
収まってよ…っ!
「行くぞ」
そう言われて、手を握られる。
す、素直にならなきゃ…
言いたいこと全部…
「ふっ…!?」
しゃべろうとしたら、急に抱きつかれる。
藤田…最近どうしたの…?
「ふ、じた?」
「怖かったよな
ごめんな、最初っから気付いてやれなくて」
なんで、藤田が謝るの?
「だ、だから…怖くなかったってば…」
まだ、意地張るのか私。
「嘘だ、さっき涙目で怖いって言った」
「…言ってない」
ムスッとした顔で藤田を見ると、
なぜか笑う。
「わ、笑わないでよ…」
てかっ!!
なに、藤田に弱くなってんの!?
ありえないからぁー!!!
「わっ、わたし!帰るね!!」
そう言って
急いで走る。
だが
「待てよ」
腕を掴まれて、走れなくなる。
掴まれたところが
ジンジン熱くて…
私の顔だって…少し熱い…
なんでっ…?
夏稀side
「なーつーきっ♪」
「うおっ」
今は、昼飯中…って言っても
今からパンを買いに行くところです。
今日は、好きなおかずをいっぱい入れてもらったのに…
弁当を忘れるという最悪な事を…
「まだ気にしてんのー?」
「うん…パンじゃたりないよ…」
私、昼だけはお腹ちょー減るんだよね…
「あ、翔平だ!!」
私が落ち込んでるっていうのに…
遥は、彼氏に今日もメロメロだ…
「お前、弁当は?」
こんな話の掛け方するの、藤田ぐらいしかいないよね…
「見てのとーりだよ…」
「そうか…」
なんか言えよ〜!
何かおかずあげようか?とかさ!
奢ってあげようか?とかさ!
こういう時に、男発揮すんでしょー?
服とか買ってないでさー!!
「しゃーねぇな。こい」
と言われる。
なんかくれるのかな!?
「……」
そして、ついて行った場所は…
「コンビニ」
ここが…キラキラして見える!
そして、藤田が天使に見える!!
「なんか好きなもんひとつ選べ」
「えっ、奢ってくれんの!?」
まじで?
さっき思ってたこと、声に出ちゃってたのかな…?
それとも、藤田が?
「おう、昼休み終わるぞ。はやく選べ」
「ウィッス!!」