ピピピピッ ピピピピッ
目覚まし時計が
設定時間になり続ける中、私は…
ドタドタッ
遅刻寸前のように騒いでます。
「くそっ、あいつのせいで私のねる時間が減ったではないか!!」
そう怒鳴りながら、階段をのぼってく。
今日は、春休み最後の日。
明日から、ぴっちぴっちの高校生だ。
「おめめ、ぱっちりだよ!!」
あいつ というのは、弟のこと。
笠原 琉斗-Ryuto kasahara-
今日から、中学入学だというのに
寝坊をする。という最悪な事を犯した。
私もそのうるささに起こされ、お母さんの手伝いをした。
「ねぇーちゃん!!」
と言って、ノックもせずドアを開けて大声で私を呼ぶ。
やめろっ、その声のトーンで私を呼ぶな!
なんて心の中で思う。
「かぁーさんが呼んでる」
新品の制服を、ドヤ顔で見せてくる。
かっこつけてんだか分からないけど、
気持ち悪いぞ、
「へーへー」
ていうか、遅刻すんじゃないの?
お前なんて、遅刻してしまえ!!
そんな気持ちで、琉斗を睨みつける。
めんどくさいなぁー。
寝かせてよ。
「夏稀!琉斗の入学式でて!!」
ん? 今とんでもない事が聞こえたような…
「はい?」
その場に立ち止まり、聞き返す。
まさか…ねぇ
「だから、琉斗の入学式出て。
お母さんの代わりに」
「いや無理ですよ、
今すぐ、お母さんみたいに家事できたりしませんから…無茶言わないでくださいよ…
私…お母さん死んだら、なんにも食えないよ!!」
改めて、ご飯を食べさせてもらってる有り難みを感じる。
涙目になってる私を見て
お母さんは、呆れた みたいな顔する。
「あんたバカか。
どうしても、会社に出ないと行けないの!
だから、出てやって!」
お母さん、先にそれを言おうか…
「ねっ?」
「え、普通に嫌なんだけど」
「ん〜じゃ、今日はデザート有の外食に連れて行ってあげるから!!」
「マジすか!!行きます!!」
あっ…
飯に負けた。
なんか、すっごい悔しい!!!
「琉斗」
「お、ねぇーちゃん」
お、が一言余計だぞ。
「準備できたんですか」
「できました」
完全にできてないじゃん…
弟の制服は、ブラザーでネクタイが社会人が付けるような…なんていうの?
いちいち巻かないといけない、ネクタイなの!!
「ネクタイは?」
ニヤニヤしながら聞くと
顔を真っ赤にして、怒り始める琉斗。
「しょーがねぇーだろ!!つけれないんだから!!」
誰も、バカにしてないのに…
「はいはい、すいませんでした!
どれ、優しい優しいお姉様が付けて差し上げますよ」
と言うと
「ねぇーちゃんなんて、優しくねぇーよ!」
と涙目で言われる。
おっと、入学だというのに、私は弟を泣かせようとしているではないか!!(全く反省してねぇーなこいつ)
「ごめんって!」
拗ねるとめんどくさいのが、これまためんどくさい。
「俺が帰ってくるまで、絶対話さないから!」
「あ、ごめん。
入学式、私が行く事になったから」
片手を前に出して鼻で笑う。
「誰かねぇーちゃん殴れ」
姉に向かってその言葉はなんだ!!
と、言いたくなるところだけど
私、準備しなきゃ
「え?どこいくの?」
弟よ、私の格好を見なさい。
部屋着なんですよ
髪は…まぁ、全然大丈夫だけど…
「え?着替えるだけだけど?」
「ちっ」
君は今、反抗期なんですか!!?
ネクタイなんて、自分でつけれるようになりなさい!
私だってそうなんだから!!
夏稀side
「なーつーきー!!早く行きなさい!」
琉斗ともめてると、お母さんのお怒りの言葉が聞こえた。
「はいはーい」
適当に返事をして
高校の服を着る。
スーツとかまだないし。
かと言って、中学の制服着るわけにはいかないし。
生徒かと間違われちゃったら困るしね。
「お母さん、鍵貸して」
「はいはい」
私はよく、物を落としたりなくしたりする事が多いから、家ではお母さんに管理してもらってる。
「あんた、その服似合うね」
「でっしょー!」
自分でも、思ったくらいだもん!!