「おはよー。寝ぼすけー。」


『…』


「おい。起きろ。ごら」


『…ん。起きた…すぅーすぅー』


「起きろって言ってんだろ!!」


パチンッ!!


浩兄は私から布団を惹き剥がし

無理やり起こしてほっぺたを叩く


パチンッ!!


起きた私は起こすためとはいえ

叩かれたことに納得がいかず

浩兄のほっぺに叩き返した。



「あらあらー♡

2人ともほっぺ真っ赤(笑

どうしたのー? 」



「『だって!!!』」


母にさっきのことを説明しようとすると

浩兄と声が重なる

そして2人でにらめっこ


「仲がいいわねー!!

でも2人とも遅刻するわよ?

早くご飯食べなさい」


『「…はーい」』フンッ


朝はだいたいこんな感じだ。


父と俊兄は1時間前に家を出ている。


浩兄は大学生だから

もうちょっと遅い時間の登校だけど

いつも私を起こして
一緒に朝ごはんを食べる。





時計を見れば7時25分


『やばい!!!』


学校まで徒歩30分かかる。

絶対遅刻だな


今日が初登校だからバスの時間帯も知らない。

急いで朝ごはんを食べ

部屋に戻り

新品の制服に袖を通す。


バタバタと音を立て階段を降り

『いってきまーす!』

と大きな声で言い玄関を開ける


道路にはさっきまで

一緒に朝ごはんを食べていた

浩兄がバイクに股がっていた。


「あんまり走るなって

ん。送ってってやるよ

今日だけだかんな」



ヘルメットを投げられ

それをキャッチし

浩兄を見る。



『…ふふふ。ありがと!

飛ばしてね!!』


わざわざ送ってくれるのかな?

暇人かよ!!


「わーってるよ。

しっかりつかまってろよ」


ブォーッ



7時55分


『ま、間に合ったぁー』


ギリギリだけど

登校初日から遅刻するよりはいい。



『浩兄ありがと!!』

浩兄にヘルメットを渡しながら礼を言うと



顔を逸らしながら

「おう。早めに帰ってこいよ。

母さんが心配するから」


と言い残し

バイクを走らせた。



8時5分ぴったしに職員室についた。