ゴホッゴホッ


今日から新しい学校に行く予定だったのに

熱が出て休みになになるとか

不運すぎるでしょ(泣


まぁ慣れてるけどね

やっぱりベットの上で何もしないのは退屈だ。


父は仕事。

一番上の兄蒼井俊-アオイシュン-も

父の仕事のお手伝いをしている。



母は近所への引越しの挨拶と

夕食のお買い物でいない。



るうちゃんも

今は二番目の兄蒼井浩-アオイコウ-が

散歩に連れていっている。





孤独だ。



留守番なんて慣れている。


だけどたまに不安になる。


このまま誰も帰ってこないんじゃないか

誰にも気づかれず

自分が消えてしまうんじゃないか

もしかしたら

自分はいない存在だったのではないだろうか?




考えれば考えるほど

闇に落ちていくのはわかっている。



ジュース飲みたいなぁ

気持ちを落ちつかせるため

下に降りて冷蔵庫を開ける。




その時

ガチャ

「ただいまー」

と母が帰宅した。


ジュースをコップに注ぎながら

『おかえり』と声をかける。


私の姿を見つけた母は


「りおーーー!!ただいまーーー!!

熱は?もう動いて平気?

莉音の好きなイチゴ買ってきたよ!!

ご飯食べたら食べようねー♡」


荷物を置いてすぐに抱きつき

高いテンションで話しかけてきた。

これもいつものことだが

なんて言うんだろう…強烈だ。

成長すればするほど

母のテンションについていけなくなる。


母がキッチンで鼻歌を歌い始めた時

るうちゃんと共に浩兄が帰ってきた。


私は右手にるうちゃんへお水を持って

左手にさっき母が買ってきたいちごを持って

玄関へと向かった。


ガチャ!!!!!


勢いよく玄関が開き

息を切らした浩兄と


るうちゃんが姿を現した。


『おかえりー!』

私は一言告げ

しゃがんで るうちゃんへお水を出した。


「ただいまー!疲れたぁ…ゼエゼエ お水ー」


浩兄はいかにもスポーツマンで

なんでもすんなりこなしてしまうから

少しだけむかつく…


私は浩兄を無視してリビングへ

るうちゃんを連れて行った。


後ろから

「おいごらりおーーーー!!!」

と聞こえたのも無視しておこう(笑


夜の7時ぐらいになると

父と俊兄が帰ってきた。



『おかえりー』

と玄関へ向かうと

すでに出迎えている母がいた。



「お。莉桜ただいま。

体はもういいのか?」

お土産のケーキを母に渡しながら

父は私に話しかけた。



『うん!もう大丈夫だよ!!』

少し無理はしたが元気に返事をすると

いきなり抱きついてきた。

母そっくりだ。

「あんまり無理するなよ?

なんかあったらすぐに言うんだぞ?」

父の後から俊兄の声が聞こえてきた。


『あ!俊兄おかえり』

俊兄はメガネをかけていて

いかにも真面目っていう

オーラを出しているけど

とても心配性のシスコン(笑


みんながいる。

いつの間にかあの「孤独」がなくなる。

重い体も軽くなった。

母と父がいて

2人の兄がいて

るうちゃんがいて

私にとって当たり前だ。



けど

その当たり前が

長く続かないことぐらいわかっている。