「…ぇ!!!ねぇ!!涼也!?」

「えっ?あ、なに??」

俺はぼーっとしていたらしく姉貴に呼ばれているのに気が付かなかったらしい。

「なに??じゃないわよ!!終わったから出るよ!?」

「あ、あぁ」

終わっていたらしく周りわもうほとんどいなくなっていた。

「ところでそのハンカチ、どうしたの???」

「えっ??」

姉貴が指していたのはあの人に借りたハンカチだった。

「あぁ、貸してくれたんだ」

「貸してくれた!?じゃあ、早く返しなさいよ!!」

返す??借りた??

あ、

「あぁーーーーーー!!!!」

ヤバ!!

気がついたら無意識に俺は大声を出していたらしく、注目の的になっていた。

「うっるさいわね!!!!早く探して返してきなさいよ!!!」

「あ、あぁ!!」

気がついたら俺はみんな無我夢中で走り出していた。

「全く…」

そして、俺は多分ハンカチのことなんか忘れて、彼女にまた会えることだけが嬉しくて走っていたのだろう…。