「あたし、たくくんと結婚するっ!」

私は少し大きい声で拓也に告げる。
拓也はそれを聞いたとたんぱっと笑顔になり、「さつきをお嫁さんにして幸せにす
るっ」と言った。

幼い約束だったけど私は本気にした。
拓也は本気じゃなかったの?
好きだったのは私だけだったの?
急に眠気に襲われて瞼を閉じた。

カーテンの隙間から差し込む光で目が覚めた
時計を見たら7時だった。
制服に着替えパンの香ばしい匂いに誘われて母のいるリビングに行った。
「おはよう、さつき」
新聞紙を片手に珈琲を飲んでいるお父さん
ちなみに仲原
コーポレーションの社長
「さつき、おはよう。さっさっと食べちゃって」
「は~い」
急いで食べて、早く出た
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」