「るい!」

声をかけられたので、
足を止め、振り返ってモジャ男の顔を見る。

いつもの顔だ。
よかった。


「わりぃ。助かった」


「謝る必要ない」


「…かっこ悪いとこみせちゃったよな。
あいつは彼女でもねぇし、友達でもない。
あいつだけじゃない。みんな。
どうでもいい浅い関係みたいなやつらしか
俺にはいない。
つまんねぇ男だよな」



また
悲しい顔…

そんな顔しないで欲しいのに…
やめてよお願いだから…