さて残りは、いじめられっこの方である。



「あの~大丈夫?」



わたしは、彼の殴られた頬を見て言ったのだが、


そんなことに彼はまったく興味がないようだった。


呆然として、言う。



「君いったい……何者なんだ?」



……まさか、天国から来た中学三年生とは言えまい。


わたしはふう、とため息をついた。



「ねえお兄さん。どーせこの時間だともう遅刻でしょ?


ちょうどいいから、幼稚園まで送って行ってよ。すぐそこだから」


「……いいけど」


 彼は怪訝な顔をしたが、素直にうなずいた。