「あのねぇ。忘れてるかもしれないけど、わたし幼稚園児なんだよね。
だからさぁ、あんたがわたしを一発殴るだけで、わたし死んじゃうかもしれないんだよねぇ。
吹っ飛ばされて、壁にたたきつけられたらもうお陀仏よ?
そうするとあんたは殺人者ね。
幼稚園児を殺した犯罪者なんて、もう社会復帰なんてできないわよ。
少年院を出てもずっとあれね。ホームレスね。
それでもいいの?それとも、それもわからないほどアホなの?」
ぐっ、とうめいて二年坊は自分の手を見た。
握りしめられた拳は、どう考えてもわたしを殴るためのものだ。