それは胸倉をつかまれていた一年生だった。



「うるっせえんだよ!黙ってろてめーは!一年のくせに生意気なんだよ!」



うわあ出たよ『一年のくせに』。


だいたいこれを口にする奴は、無能と相場が決まっている。


わたしがあきれていると、勇気あるその一年生はなおも反抗する。



「おれが何をしたんですか⁉どうして暴力ふるわれなきゃならないんですか⁉」


「暴力じゃねーよ!指導だよ!」



わたしの首根っこから手を離した二年坊は、彼に向かって拳を放った。