「も~う!レディのお話は最後まで聞くものよ!



今日も部活に行って、ひと目見ておきたいんだけどね。いい?」



「いいわけないでしょ」



バシリ、と一刀両断されてわたしは力なくうなだれた。



実はこのわたしにも、想い人がいる。



竹中翔太(たけなかしょうた)先生。


担当、国語。イケメン二十三歳、独身。



そしてわたしの所属する剣道部の顧問でもある。



わたしが全国大会、準優勝経験があるからか、元インターハイ優勝者である竹中先生は、

わたしをよく指導してくれるのだ。