ケガはしたくないし、それくらいの理性は持ち合わせている。 ……と、いうわけで、さっさとわたしはその場を去りたかったんだけど。 「んだぁ?今の声は」 ……やっちまった。 「ばっかみたいだと?誰が言いやがった、おい!」 ……ちっ、声が大きかったか。 心の中で軽く舌打ちをし、その場から逃げ出そうとする。 「待てよ」 しかし、わたしはいともかんたんに首根っこをつかまれてしまった。