わたしの通っていた幼稚園は、私立以詰面学園のすぐ近くにある、ごく普通の幼稚園だ。
創立してからもそんなに時間がたっておらず、建物や遊具は新しい。
幼児が一度もケガをしていないことが、当時の園長の自慢だったはずだ。
にしても。
「幼稚園児、ねぇ……」
ふぅーっ、とおそらく幼稚園児らしくない長いため息を吐くと、わたしは苦笑した。
無理だろ。
わたしは、机に広げた塗りかけのぬりえを見る。
これがかなりの時間続くとか、頭おかしくなるわ。
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