「せ…先生…?」


「…別に、ショーちゃんでいいよ」


「でも、さっき…やめろって」


「高等部卒業、おめでとうって言ったろ」



先生は、少し照れたような声でぶっきらぼうに言った。


学校では、こんな声は出さない。


今の先生は、私だけの先生だ。



そう思うと、胸がポカポカと暖かくなる。



「聞きましたよ…わたしにだって耳くらいありますからね」


「知ってる。


…だから、お前はもうこの学園の生徒じゃない」


「そうです。だから、わたしは失恋で、今傷心中なんです。


優しくしないでください、迷惑だから」



ヤケだ、と思いつつ、告白する。


すると、返ってきたのは意外な答えだった。