……………………………え?
 

葉を失い、蒼白になったわたしに、彼はこれ以上ないというほどの満面の笑顔を顔に浮かべると、


右手をひらひらと振り、病室のドアを開けて。



ぴしゃん、と閉めて。それから、出て行った。




「…………………あんの男――――――‼」




拳をわなわなと震わせた、わたしの魂のシャウトが病院全体に響き渡る。



何事か、と駆けてきた看護師さんたちを無視して、


わたしは真っ赤になった顔のまま歯ぎしりする。



冗談じゃない。これじゃわたしの完敗だ。


こんなの、卑怯じゃないか、ショーちゃん。



「ふざけないでよね……」



勝ち逃げなんて、させないんだから。



覚悟しててよね!