ぎゃあああああああ! 今の問答聞かれてないでしょうね⁉


聞かれてたら時沢あんた、あとからただじゃ済まさないわよ!



「お、美咲。元気そうで何よりだ」



にこやかにフルーツバケットを棚に置きながら言うわたしの好きな人。


…………………………ん?



「い、今……先生……」


「どうした?」



首をかしげる先生に、わたしは高鳴る心臓を押さえつけながら、聞く。



「わたしのこと……」


「ああ……」



名前で呼びましたよね、と言おうとしたら、先生は困ったように苦笑した。





「お前、『おれ』に会ってきたばかりなんだろ?いきなり顔を忘れんのか?」




「え…………?」