「お母さん……」



わたしも、限界なのだ。もう、この過去にはいられない。


一緒に、天国まで行こう。きっと、その道中でまだ、話ができる。



「さよなら」



そして、ありがとう。




生まれてこれて、幸せでした。




そう思った瞬間、花びらを散らすようにわたしの意識が薄れていった。


ごめんね、お父さん、未緒、そしてショーちゃん。



一か月を過ごしたわたしは偽物でした。



うそつきなわたしに与えられる、別れと言う罰。


十分すぎるくらい、悲しい罰だ。もう、これ以上ないというほどに。