すぐにさっき見たような穴がわたしの目の前に現れ、くるくると回る。 しかしさっきと違うのは、その穴から見えるのが暗黒ではなく、 日本の風景だということ。 …きっと十年前の景色なのだろう。 「さぁ、人の子よ。その穴に飛び込むのだ、自分の時を生きるために」 言われなくとも。 わたしは彼ら天使たちを背に、ためらいなく穴へとダイブした。