十年前と言えば、わたしは五歳児。幼稚園の年中さんだ。


姿は五歳児で、意識は中学三年生ということ?



……なんだかなぁ~……。



「わたしも何かの意図があると思えてならないのだが、


彼はあれでも一世界の王。


貴女を生き返らせねば、宇宙の時がゆがむと言われれば、無下にはできまい」



……わたしはそんなたいそうなご身分じゃないぞ。



「わたしもそう思う」



…殴ったろかこのやろう。


あっけらかんとした天使長の態度に、ぎりぎりと歯を食いしばり、


指をひそかにゴキゴキと鳴らす。