わたしを連れ去った犯人は、きっと首謀者はあの男ではないだろうし。


ため息をつきそうになった、その時だった。



バタン!



乱暴にドアが開けられて、さっきの男が入ってきた。でも一人じゃない。


連れているのは……少年?


少年の顔は見えないけれど……もしかして、という思いが頭をよぎる。



「くっそ……このクソガキ!おれたちの話、盗み聞きやがって」



彼は、少年の頭をつかむと、わたしのほうに突き飛ばした。


ガシャアアン、とガラクタにぶつかる音。


……ひどい。なんてこと、するの。



「クソガキ!お前もそこの女がデータの場所を吐くまで、そこにいろ!


その女がありかさえ吐けば、あとは警察だろうが何だろうが、どうとでもなるんだ!」