天井の隅っこには排気口。


かなり太い排気口で、多分大人がほふく前進で進めるくらい。


でも、そこから脱出しようにも、高すぎる。梯子もないし。


排気口は、どの部屋にもつながっているから、外部からの侵入は難しくないけど、内部からの脱出は困難だろう。


困った。いくらデータを奪われたくないからとはいえ、わたしは痛いのは、キライだ。


多分、同い年の女の子はみんなそうだと思う。



「……絶対に、奪わせたりしない」



美咲なら、きっとそうする。



あんなに小さいのに、美咲はとっても強いから。


わたしも、強くならなきゃ。


データを守るためにも、わたし自身を守るためにも。



あきらめるわけには、いかない。