「うわお」



例の『天国本部』とやらに連れて行かれたわたしは、思わず声を漏らした。



なるほど本部。


さっきの『へんぴな支部』とはえらい違いだ。



「わたしをなんだと思ってるんだか。完璧になめてるわよねこれ」



目の前に広がる風景は、まさに絶景。


正確無比な設計に、荘厳かつ美しい巨大神殿。


これこそ天国だ。



「おいはやく歩け」



だからさっきからその態度はなんなのだ。


わたしは無言でとなりを歩く天使の足を蹴り飛ばす。


彼はうぐっとうめいたあと、わたしをにらんだ。


はっ、自業自得だ馬鹿め。