キキキキキィ‼
一瞬、何が起こったのかわからなかった。
体を襲う、この鈍痛はなに?
どうして、視界がかすんでるの?
「大変だ!はやく救急車を…」
かの声が聞こえる。
意識の奥底で、ぼんやりと考える。
あれ、なんだかあたたかいなぁ……。
ここで、死んでしまうのかな。わたしには、ここでなんか死ねない理由があったはずなのに。
でも、なんでだろう。
大切な人の名前が、思い出せない。
ゆっくりと幕を下ろすように、わたしはまぶたを閉じる。
意識さえも失って……,
もう、何も聞こえなくなった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…