「おお、けっこー高いんだな。」
「でしょ?ここは町のシンボルの展望台と違って自然豊かな町だってことがわかるの。」
ふわっと風が吹き、櫂のサラサラな黒髪がゆらゆらと揺れる。
「確かに。海も見えるし、山も見える」
櫂が呟く。
私は背中ぐらいまである髪を耳にかけながら言った。
「私は、こっちの方が好き。」
櫂は少し驚いた顔をしてこっちを見たがまた町の方を向いた。
「…俺も同じこと思ってた。俺もこっちの方が好き。」
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