その後は、お孫さんの話に一切触れずにサヨおばちゃんとは世間話で盛り上がっていた。



「ハハッ!渚ちゃん面白いの〜!何もないところで3回も転ぶとかドジだなあ」

絶賛渚の話で盛り上がり中。


渚はいつも何かとドジなので話の話題になることが幾度なくある。



「今、何しとるかの〜櫂ちゃん。」

え?




「お孫さんですか?」



「そう。櫂っていうの。桐谷 櫂。今思えば櫂ちゃん、青羽ちゃんと同い年ね」



嘘…櫂⁈




初めて知った。




櫂のおばあちゃんはサヨおばちゃんなんだって。




「あの人なら明日…」

いや、言わないでおこう。櫂がおばあちゃんの家に行かない理由、自分で聞き出したいし。



明日来るって言って大騒ぎになっても困るから…



「いや、なんでもないです…。あ!私、今日夕飯作らなきゃなんで帰ります!」


「おお、そうだの。もうこんな時間。あっ!青羽ちゃん、桃忘れるな〜」


「はぁーい!」


私は挨拶を交わして本屋を出た。