「お兄さん!行くとこそっちじゃないよ!
病院!病院だって!」
「うるせえ!」
「いやいや!病院いこうよ!?」
どんどん人気のないところに引っ張られる。
「お兄さん!だから――」
「うるっせえっつってんだろ!」
ビクッと、黙ってしまった。
するとお兄さんはあたしの顔を見て、にやりとする。
「――お前、銀狼の次期総長、二島 慶太の女か」
「!?」
お、女って、彼女ってこと!?
ままままままだなってないよ!
「誤魔化せねぇぞ」
お兄さんが携帯を操作して、画面をあたしに見せた。
「!?」
そこには一枚の写真。
自販機で二人、ジュースを飲みながら楽しそうに話してる。
これ、昨日の……!
誰かに見られてたんだ!
しかも盗撮されてるし!
「俺んとこのグループがよぉ?
銀狼にちょっとした因縁があんだよ。
だから、利用させてもらうぜ?」
「嫌です!」
断固拒否。
足引っ張りたくない。
てか銀狼ってなに?
聞くかぎりでは不良グループかなにかみたいだけど。