「…どしよ、これから」


呟いたけど、あたしの心は決まっていた。


足はもう学校に向かっている。



溢れる気持ちが止まらない。


伝えたい、この気持ち。



――ドン


「きゃっ」


誰かにぶつかった。


「す、スミマセン!」

「ああ?」


見上げれば185。

背の高い男性、タバコ臭いし、なんか甘ったるい臭いがする。

この香り、もしかして――


「嬢ちゃん、ちゃんと前みろや」


顔を近づけてきた。

…歯が黄ばんでる。

それに焦点が僅かにあってない。

呂律も微妙…。


「――お兄さん!」

つい叫んでしまう。

いや、これは命にかかわることだし。


「クスリなんてだめだよ!」

「おまっくそ!ちょっとこっちこい!」


腕を掴まれた。

あたし、よく腕掴まれるなぁ~…じゃなくて!

怒らせちゃった!?