しばらく笑ったら、言われた。

「あんたみたいなのもいるんだね」

笑顔で言われて、ちょっと複雑。


「――そう言えば」

亜美菜――最初に話しかけてきたショートヘアの女の子。


「聞きたいことって、何だったの?」


聞かれて、つい黙りこんでしまった。

何て、聞けばいいんだろ…。

…でもなんだか、聞かなくてもわかった気がする。


「…ううん、聞きたいって言うか、確かめたかったんだと思う。

もうわかったよ。
皆のおかげ、ありがと!」


皆に笑顔を向けて、あたしは路地裏を後にした。


そう、わかった。


二島君は金髪でヤンキーだけど、同じだって。

泣くし、悩むし、困惑して苦しむ。

笑って、嬉しいって思うし、楽しいって感じる。


つまりは同じ人間だって。


当たり前だけど見失ってた。


悩んでたあたしがバカみたいだ。


答えはそこにあったのにね。



言うのが怖かったんだ、きっと。

あたしの気持ちを言って、伝えて、拒絶されるのが。

距離をおかれて、彼が隣からいなくなるのが嫌で嫌で、たまらなかったんだ。


だって、あたしは二島君が好きで、大好きだから。


できればずっと、そばにいたい。

隣に、いたいよ。