「……」

意を決すると、あたしは彼らに近づいた。


ちゃんと、理由がある。


あたしには分からない、彼の考えることが。

だけど知りたい。

だから、聞いてみることにした。

彼に一番近い、彼らに。



「―――あの」


声をかけたら目を見開かれた。

あれ、そんなに吃驚?


「えっと、一条 愛っていいます。
よろしくお願いします」


そう言って頭を下げた。


「お、おう」

「誰~その子。誰かの知り合い?」

「知らね」


困惑。

それもそうだよね、いきなり知らない人に話しかけられたんだから。

少し安心する。

ヤンキーでも、あたしと同じなんだ。


「ちょっと聞きたいことがあって…」

「聞きたいこと~」


細身のショートヘアの女の子が近づいてきた。


マスカラすごい、めっちゃ盛ってある…!


「…ふ~ん…あんた、ちょっと来いよ」

「え?――うお!?」


腕を引っ張られた。