…なんで不機嫌なんだろ?

とりあえず、黙っておく。


…背、高いなぁ。

あたしは女子の中でそこそこ高いと思ってたんだけど。

頭一個分、二島君の方が背が高い。

あたしが167だから、170後半くらいはありそう。


やっぱり、モテるのかな?

彼女とかいたりして…。


何て考えていたら

「…一条さぁ」

って、声かけられた。


心臓が跳ねる。


「な、なに?」

「このあとどうすんの?」

「…あ」

考えていなかった。

そうか、授業抜けてきちゃったんだよね…。


う~んと唸っていたら、

「あ、あのさぁ」

「ん?」


あたしは二島君を見た。

目が合う。


「時間もあるし、どっか行くか?」


まさかの誘い。

これはもう、チャンス。

断る理由なんてひとつもない。


「うん!」


あたしは大きくうなずいた。