――朝、教室の前。


「ス――――、はぁぁぁ~~」

あたし、一条愛は深呼吸をしていた。


何でこんなことをしてるのか、というと

~昨日~

「な、何て話しかけよう…」

「初っぱなからベラベラ喋んなくていいんじゃない?
急に喋ってきても、警戒されるだけだって」

「最初は挨拶程度でいいんじゃないかなぁ~」

「そ、そっか!」

~以下略~


――と、いうわけです。


あたしは今日、ヤンキー君に挨拶をしようとしているのです。

記念すべき初挨拶!!

へまするのだけは避けたい…。


二人はもう自分達の教室に行ってしまった。


ここからはあたしだけ。


「――――よし」


あたしは教室の扉を開けた。