言った後にあらしは俯いた。

反対されたら「イヤだ」っていおう。

二人ならきっと、わかってくれるはず――


「――あ、そうなの?」

「ふ~ん」


…あれ。

以外にあっさり?


「?愛ちゃんどしたぁ~?」

「いや…反対しないんだなと」


そう言ったら二人は顔を見合わせて、フッと笑った。


「あ~ねぇ、ヤンキーかもってこと?」

「う、うん」

「慣れてるし、ヤンキー」


え。


「お兄ちゃんがヤンキーだから」


え。


「そ、そうなんだ…」

「うんそう、だから」


結衣は一度言葉を切って、あたしにニコッと笑った。


「全員が全員、悪い人じゃないっていうのも、知ってる」


結衣のこの言葉に、あたしは心底ホッとした。

反対どころか、受け入れてもらった。

それが嬉しかった。


「それに愛ちゃん、人を見る目あるし。
きっとその金髪君、いい人だと思うよ」

「もし悪いやつでも、アンタなら大丈夫だ」

「そうそう、きっと毒気抜かれちゃうって!
今までそうだったみたいに!」

「?どういうこと?」


理解してないあたしを見て、結衣と美咲はフッと笑った。


「わかってなくていいよ」

「うん、愛ちゃんはそのまんまで!」


…意味わかんない。


でも、二人とも笑ってる。

あたしも笑ってる。


今は、それだけで十分だった。