楓恋 side

『如月 玲央』

私が、通う姫路学園でこの名前を知らない人なんているのかな?

誰もが認めるであろう完璧なルックス。成績優秀。容姿端麗。

この三拍子そろった人を女の子たちが相手にしないわけがない。

おまけに、誰にでも優しくて常に笑顔のイケメンを誰がほっておくとおもう?

小さいころから見た目も中身も王子様な彼の周りには、常にたくさん人が集まってくる。

そして、中学入学と同時に出来上がってしまった。

『木皿 玲央は遊び人』

そう、何不自由なく育ってきた彼は、見事に立派な遊び人に仕上がってしまった。

『れおー?』

今日もだ。甘い声で、玲央の名前を呼ぶ一つ上の先輩。

藤堂 優希南(トウドウユキナ)先輩は、美人で有名な先輩。

彼女は、いつも昼休みに玲央に会いに来る。

『ん?』

玲央は、眠そうに欠伸をしながら首をかしげてた。