ベットの上で横たわり、眠るリラ。
そんな彼女をグロルは、じっと見つめる。
白い肌
か細い手足
一度触れてしまえば脆く粉々に砕け散ってしまいそう
そんな彼女が、自分の限界を知った上で、それでも限界以上のことをやろうとしてくれた。
(俺なんかの為に、馬鹿だなぁ......)と思う反面
その事が、どうしようもなく嬉しく感じた
倒れた彼女の前で不謹慎にも程があるが、それでも堪らなく嬉しい。
胸がジーンとして、締め付けられたように苦しくて
その痛みすらも心地よくて。
自身の胸に溢れる、その喜びに戸惑いながらも、グロルはその気持ちを抑えきれずにいた。
リラの額にかかった上をそっと指先でのける。
その時わずかに触れてしまったせいだろうか。
「......、うーん...」と、彼女は身じろぎをし、
そして、静かにその瞼を開けた。
深い緑の瞳がゆっくりとグロルをとらえる。
「............グロル、さん......?」
「......ああ、俺だ。おはよう、よく眠っていたな」
「...ここは?」
「......病院だ。倒れたんだよ、俺の治療したから」
それを聞いて、ようやく今の状況を理解したリラは、はっとして勢いよくベットから起き上がる。
「グロルさんっ怪我ッ」
自分の事などそっちのけで、グロルの心配をするものだから。
やっぱり、たまらなくなって
「え、...」
グロルは無意識のうちに、手を伸ばして
リラを抱きしめていた。