家に帰ってから、先生に文句を言ったのは言うまでもない。


「何であそこで私を放っておいてくれなかったんですか!?」


「やだな。せっかくの最後の文化祭、皆で楽しまないとっていう俺の粋な計らいを。」


「そうですけど…。メイドなんてイヤですよ。」


「俺は見てみたいけどね。」


本から目を離さずに、さらっと言われたその台詞に不覚にも、心臓が跳ねた。


「じゃあ…頑張ってみます…けど。」


ほんと、先生に操られてるような気がしてならない。


私のどこかに糸でもついてるんじゃないかななんて、疑いたくなるほどに。


「頑張れ。」


いきなり頭を撫でられる。


「…はい。」


やっぱり、どこかに糸がついてるな…。