サファ「少し聞きたいことがあるのですが...あなたはここで何をしているのでしょうか」

(ど、どうしよう...素直にいった方がいいのかな...。よしっ。言ってみよう)

「私にもわからないのです。気がついたらあの森で倒れていたので...。ここはどこなのでしょう...。」

サファ「気がついたら森で倒れていた?」

「そうなんです。」

ザル「気がついたらってどういうことだ?」

「急に足元に黒い穴が開いたと思ったらあの森で倒れていたので...。」

サファ「ザルーグ、あなたは彼女をどう見ますか?」
ザル「嘘をいってるようには見えねーが...。」
サファ「私もそう思いますが、気がついたら倒れていたというのはいささか...。」

「あのぉ...。」

サファ「あ、失礼。とりあえずここの家の主であるカルフールが見当たらないので探してきますね」
ザル「どうせまたどっかで怪我でもして動けなくなったとかだろうから」

「わ、わかりました。」

(この世界の魔法って私がイメージしたものが具現化してるのかな...。それだったら...。)

サファ「それではいってきますね」

「あ、あの!」

サファ「なんでしょう?」

「私もつれていってもらっても構いませんか?」
サファ「え?」

「もし、怪我をなされているなら私が治してあげられますし...。」

ザル「リィーンは癒し手だったのか?!」

「へっ?」

サファ「治癒魔法は合成魔法なので使える人が少ないんですよ」

「そ、そうなんですか」

(ヒールとか魔法の世界では当たり前のことだと思ったのに...。もしかしてまずったかな)

サファ「治療魔法が使えるのなら一緒に来てもらった方がいいかもしれませんね」

ザル「だが、渓谷までは結構な距離があるがリィーンは大丈夫か?」

「大丈夫です」

サファ「それではいきましょうか」