彼のことは、自分にとってものすごくどうでもいいはずなのに。 なぜだか。 わずらわしくは思わなかった。 むしろ、図書室で彼と過ごすこの時間をいつのまにか楽しみにしている自分がいた。 私の向かいの席には、いつも春瀬がいて。 まるで春の日射しのような笑顔を私に向けてくれて。 それが随分と心地よかったのかもしれない。