次の日は卒業式だった。
人との別れに弱いうちは、卒業式とか離任式、引越前のレクリエーションなんかは必ずと言っていいほど泣く。
でもこの日は全く泣かなかった。
昨日までで涙が枯れたみたいで、朝起きたときから涙腺が緩むことはなかった。

先輩たちの門出送りが終わったら、他のみんなが写真を取ったり色紙や手紙を渡したりしてる中
うちは急いで校舎に入った。

もちろん、晃佑に会うため。

教室に駆け込んで荷物をまとめて晃佑のクラスの前で待つ。
だんだん緊張してきた。
でも大事な話だから逃げるわけにはいかない。
……何を言われても。

少し待つと、晃佑が友達と一緒に教室から出てきた。
あれ、友達も一緒なんだ……
と思ったら。

「晃佑、一緒に帰る?」
「いや……」

と言ってうちのところで立ち止まった。

「あ、そーゆーことね……」

友達は晃佑が言いたいことを察したのか、先に歩いて行った。

「じゃ、行くか」
「うん」