次の日の放課後。

うちは日野屋先生にまた呼び出しをされて、ホールにいた。
でも今回は怒られるんじゃなくて、学習発表の準備。
今うちらの学年では講座別学習をやっていて、この学年の先生6人がそれぞれの担当教科の講座を開き、生徒は自分の好きな講座を選んで学習をしている。
うちは数学が好きで数学担当の日野屋先生の講座を選んだ。
日野屋の講座、面白い問題とかパズルをやってすごく楽しかった!
で、そのまとめとして各講座の代表が学習内容を発表するんだけど、うちは6人の男子とともに代表に選ばれた。
その中には晃佑もいる。やった!

「じゃあ、全員揃ったな。説明するぞ」

先生の説明によると、うちらの発表は講座で実際に解いた問題を劇形式で他の講座の人たちにも解いてもらうというもの。
その問題とは、川渡りパズル。
船が1艘あって登場人物たちを全員川の向こう岸に渡したいんだけど、
一緒に乗せちゃいけない組み合わせ、一緒にいないといけない組み合わせがあるから
それに従ってなるべく短い手順で向こう岸に渡そう、みたいな問題。
結構ポピュラーなパズルで、うちも講座を受ける前から知ってた。

川渡りパズルの登場人物は旅人、キャベツ、羊、狼。
その他に進行役と答え役、解説役。
なぜかうちは解説役に決められてた。
実際に解いてもらったとき、間違えたらどこが間違ってるのか解説するんだって。