「あ、じゃあもうオレ行くわ」
「うん。またね」
うわ、なんだったんだろさっきの。
今でもドキドキしてる。
嬉しくて、でも苦しくて。
これは、まさか……。
そのまさかかもしてない。
うち、晃佑が好きだ……。
__いや、思い返してみれば。
廊下で話しかけられたとき。
それがほんの一言であっても。
胸が高鳴っていた。
学校から帰れば
また話したいと思い、
登校前には
早く会いたいと思っていた。
これが、恋というならば
何日も前から__もしかしたら、初めて話したあの雪の日から
晃佑のことを好きになり始めていたのかもしれない。
ただ、晃佑に彼女がいるという事実があったから
その想いを無意識のうちに封印していたんだ。
好きだよ。晃佑。
今、気づいた。