ピピピピッ! ピピピピッ! ピピ…
枕元で鳴り響く
6時にセットした目覚まし時計
「…あと…もう少し…」
私、佐原 結花です
二度寝いたし……マス……zzz
一時間後とてもとても後悔することも
知らずに──────
「なんで、起こしてくれなかったの?!」
勢いよくリビングの扉を開く
小指を部屋のクローゼットにぶつけるし最悪!!
「起こしたわよ」
母は
─────寝坊!!!
ただいま午前7時50分
私は急いで支度をする
「おはよう、結花」
新聞広げて優雅にコーヒーを飲むお父さん
うらやましい…
お母さんは食卓に朝食を置いている
私の大好物の白菜の漬け物
「あぁぁ、食べたいけど…」
私は結局、朝食を諦めて学校へ
徒歩1時間
三咲高等学校
敷地は広く、公立なのに意外と設備が整っている
制服はブレザー、カミツレの花の紋章
私は真夏の晴天に
ナビ
スカートを靡かせた
ユイカ
佐原 結花 高校二年
髪→ショートボブ
スタイル→ぽっちゃり
特技→どこでも寝れること
彼氏いない歴=年齢
シゲオ
佐原 重雄 (父)
年齢→47才
仕事→電気会社の部長
趣味→釣り
最近のお悩み→頭が薄くなった
下腹ぽっこりww
マユミ
佐原 真由美 (母)
年齢→ひ・み・つ♡♡
仕事→専業主婦
趣味→掃除・ヨガ
欲しいもの→犬
家で1人は寂しい…
午前8時20分
全力疾走で来て息を切らす私
ま、間に合った…
「おっはよー!結花」
肩をバシッと叩かれ
前のめりになる
「力強すぎ…夏」
痛くて肩をさする
モトキ ナツ
この子は私の幼なじみの本木 夏
髪→茶髪ロング
スタイル→ボン・キュッ・キュッ☆
空手→全国大会優勝
彼氏→社会人でイケメン
どこで出会ったかは謎
校門前まで来たとき人が群がっていた
「なんかあったのかな?」
眉間にシワをよせる夏
「わかn「きゃーーー!」
私の声がかき消される
「あの人…」
「神谷琉斗?!」
「神谷琉斗?!」
興奮中の夏
「誰?」
「金髪で、背が高くてモデルの…… きゃーーー!!///」
ビクッッ
「夏?!」
「こっちみて手振ってくれた!//」
頬を赤く染めている夏
おいおい
あんた彼氏いるでしょーがw
「早く教室いこーよー」
はぁ、あんな男のどこがいいんだか
興味ないのでスルー
人を掻き分けてやっと校舎に入ることができた
「おっはよ!ねぇ、見た??
めっさ格好良かったよね!」
興奮気味のクラスメート達
「だね~」
うん、私は興味ないんだよね
横にいる夏は興奮気味
温度差ww
周りの女子や男子と、たわいのない話をして私達は席に着いた
「HR始めるぞー」
担任は女子男子に人気のある先生
松下先生☞まっつん
性格→結構な俺様 常識はずれてるw
年齢→25?
彼女→なし! もったいない…
※イケメンです
でっかい欠伸してるし…
カッコイい顔が台無しだ
「転校生を紹介する
入ってこーい」
思わぬ一言で
騒ぎ出す教室
ガラッ──────
入ってきたのは、朝に騒がれていた男
チャラいな…、ピアス何個あんの?
周りの女子は発狂(?)し、男子も興味津々
黄色い声が教室に響いて鼓膜痛い…
「神谷君はモデルの仕事もやっていて、半年間という短い期間在学することになっている
席は佐原の横な」
「え?!」
ツイてなさすぎでしょ
こちらに向かってくるチャラ男
女子からの視線が痛い
なんかグサッと刺さってくる感じ
誰か!代わって!ヘルプミー!
カミタニ リュウト
神谷 琉斗
年齢→17才
モデル歴→3年ちょい
彼女→半年前に別れたのでフリー
趣味→ホラー好き・料理
⇩ ⇩ ⇩
通称 モテ王子
────夏と帰宅中─────
「もう!ほんっとに有り得ない」
校内は有名人が来たことによって騒がしくクラスは混乱状態
ってかトイレ行ってる間に席とられるとか腹立つ!→あるある
私の睡眠時間かえしやがれ!
「まあまあ、落ち着け結花
ハゲるぞ?」
そういって私の頭を撫でる夏
まだ髪の毛あるっつーの
フサフサじゃい!
ちなみに私達は最近出来たカフェに向かう途中
「にしても!モテ王子かっこよかった♪」
うっとりしている夏
「誰よ、『モテ王子』って、、
モデルくんは飽きた?」
「……モデルくんって…ww
神谷琉斗くんのあだ名!
ほとんどの女子が『モテ王子』って呼んでるよ」
1日で女子のハートを掴むとは…
「さすがね…」
「なに1人で納得してんのよw
あ!あそこじゃない?カフェ」
赤い屋根にクリーム色の建物
「おぉ!早く入ろ」
何食べよっかな~♡
「…色気より食い物だよね結花は(-_-;)」
かなり呆れ気味の夏
「ん?なんか言った?」
夏は盛大な溜め息
「?」
男になんて興味がなかった私
今、この瞬間に私の人生は狂い出す
やっぱイチゴ&チョコスペシャルは最高
パンケーキがフワッフワ♪♪
夏のチーズケーキ半分食べちゃって
殴られるっていうねww
思い出しただけで寒気が(・・;)
たんこぶ出来ちゃったよ…トホホ
ま、美味しかったしいっか
おっと、家の前を
通りすぎるところだった
ルンルン気分でドアを開ける
「たっだいまー!」
靴を脱ぎ捨てたまま
リビングに行くと大きいトランクが2つ
「お兄ちゃん帰ってきたの?」
制服を脱いでハンガーに掛けてると
ソファーに座ってくつろいでいるお母さんがこっちを向いた
お父さんは相変わらず定位置で夕刊を読んでいる
ちなみに
私のお兄ちゃんは海外で働いているのでなかなか帰ってこない
「違うわよ、お父さんとお母さんは
海外旅行するのよ~♡」
へぇ、海外旅行いいな~
するとお父さんは急に新聞を閉じて真面目な顔になった
「それで、提案なんだがお前を1人にするのは心配でな…
父さんの会社の息子さんと、しばらく住みなさい」
父さんの会社の息子?ちょっ、待っt
「いつくるの?」
恐る恐る聞いてみる
「明日」
明日ぁぁあ?!
「母さんも安心だわ~がんばってね☆」
「そんなの急だよ!絶対嫌だから!」
階段をドスドス上がってドアを勢いに任せてしめた
「うるさい!」ってお父さんの声がするけど無視だ無視!!!
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ」
叫びながらベッドにダイブ
ベッドに身体を預ける
あー、ヤバイよ
急に眠気が…
私は携帯を握り締めたまま夢の中へ
翌朝
無言でリビングへ
「さっさと、ご飯食べちゃいなさい」
時計を見ると7時ジャスト
昨日何時に寝たっけ……?
お母さんは相変わらずバタバタしてる
ご飯を食べ始めるが頭の中は不安だらけ
昔は男嫌いではなかった、ある日を境に私は男嫌いになった
「ねぇ、息子さんってどんな人?」
目の前に座っているお父さんは顎をポリポリ掻いて
「そうだな…、父さんの部下の息子でチラッと写真を見たが好青年だったぞ?
ちょっとチャラかったが…
まぁ、部下も仕事で大変そうだったから引き受けたんだ」
「え…」
まてまて、チャラいだと?!