回りは山畑で囲まれてる地元のカフェで働いてる19歳、マナ 。
彼氏いない歴19年。恋なんてしたことがない。いや、恋をしていたことに気づいてなかったのかもしれない。気づきたくなかった。
高校2年生、夏が終わり少し肌寒くなってきた時のこと。大好きだったアニメが映画化し、大好きな映画を1人で鑑賞したい。初めてのぼっち映画。友達と行くのと違って1人で行くのは少し大人な感じがしてドキドキとした。
上映されてから日が経ってたから人はあまり居なく、貸しきりみたいな状態だった。
真ん中の列に真ん中の席に座り、両サイドには誰もいない。快適!ぼっち映画最高!って思ってたら
「隣、いいですか?」
頷く。
横目で見ると隣に20代くらいの男女が座ってきた。
ま、まさかのカップル!??私が座ってる左隣の席に男性、女性ときた。他に席はいくらでもあるのに、何故隣に、、、泣。居づらくなった私は上映開始まで時間があったので映画のパンフレットなど買いに少し席を外した。買いに行っても、なんせぼっちなので買い物なんてすぐに済み、またあの席に戻ることになる。気まずいなと思いながらゆっくりと席につく。
「あの~このアニメ好きなんですか?」
!?隣の男性から話しかけられ、
「はい、好きです。」とっさに答えてしまった。
「僕も大好きで、すごく泣けますよね。」
アニメ好き同士のあるあるでアニメに関する話は誰とでも話せてすぐに仲良くなる。
「そうなんですよ~涙が止まらないです。」
「何回も見ては号泣です笑」
「そうですよね.....。」ふと我にかえり、彼女さんに悪いなと会話を終了。
男性はバッグの中をガサゴソ何かを探し始めた。
「お母さん、紙かペン持ってる?」
?お母さん、今お母さんって言ったよね...チラッと彼女の方をさりげなく見たら、とても若くお母さんには見えなかった。髪はショートの茶髪で毛先にパーマ、顔も若く美人。彼女かと思ってしまった。
いつの間にか上映時間になり、真っ暗になった。