「風太さんこのことは?」
「……知らない」
「知らないの?知っている人はいるの?」
「………お前」
「あたしだけ…?」
「ああ。
だから、誰にも言うなよ」
「風太さんに言わないの…?」
あたしに教えてくれたことが何だか嬉しくて。
恥ずかしさで声が震えた。
「言わねぇよ。
…兄貴は猫アレルギーだから」
「そうなの?
だから飼えないんだね」
「ああ」
飼いたいのに、風太さんがアレルギーだから飼えない。
だからあんな寂しそうな顔したんだ。
「…どうして、あたしに教えてくれたの?」
もちもちだけの秘密だったはずなのに。