どこからか猫の鳴き声がする。
そしてもちもちを見てみると。
「あーっ!」
もちもちが落ちてきた日。
あたしの目の前に座っていた、あの白い猫が、もちもちの前にお座りをしていた。
「あの猫だぁ!」
もちもちはしゃがみ込み、頭を撫でていた。
猫は気持ち良さそうに、もちもちに撫でられている。
「懐いているねぇ~」
「そりゃそうだ。餌付けしてるんだから」
「餌付け……?」
もちもちは袋からペットボトルの水と、猫缶を取り出し、猫の前に置いた。
猫は小さく鳴くと、猫缶を食べ始めた。
「もちもちの猫なの?」
「いや違う」
「そうなの?
じゃあ何で餌付けなんて…」
「……理由なんて聞かなくて良いだろ」