隣に立つ望月桜太も、口元に笑みを称えていて、ふたり共とても幸せそうなムードが漂って来た。
「ありがとう望月くん」
スマホを望月桜太に胡桃が返すと、望月桜太はニコリと微笑んだ。
…うさん臭く見えてしまう。
「困ったことがあったら、いつでも相談してくださいね。
もうすぐテストですから」
……テ、ス、ト……だと?
何だその悪魔の3文字は。
「望月くんはまたトップかなー?」
「さぁ、どうでしょうね。
胡桃さんも、頑張ってくださいね」
……胡桃さん?
「ありがとね望月くんっ」
「では。
今日も頑張りましょうね?胡桃さんに河西さん」
最後までうさんくさ~い笑みを崩さぬまま、
あたしの席に戻る胡桃とあたしを見送る望月桜太。
……あたしも本性を知らなければ、「きゃあ素敵」とか言えたんだろうなぁ。